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CUnet

概要

CUnetは、デジタルI/O、アナログI/O、位置決めの制御が可能な、マルチマスタ型リモートI/O制御ネットワークです。
最大64個のICを接続することができ、かつ最大512バイトのデータを共有しながら、I/O制御が可能です。
CUnetをご利用いただくことにより、DIOの制御だけでなく、従来のパラレル接続によるアナログ制御を、シリアル通信にてシンプルかつ安価に実施することができます。

また、装置内のモータ制御の場合、CUnet(MKY44MCシリーズ)が対応可能な範囲の位置決め制御であれば、I/Oレベルのネットワークを使った位置決め制御も可能です。
これにより、CUnet(MKY44MCシリーズ)をご利用いただければ、高価なモータドライバやサーボモータを使用していた制御箇所を、安価かつ適切な構成へ変更することが可能となります。

CUnetは、
I/Oレベルのネットワークでできることは、I/Oレベルで!
を目指したネットワークです。

装置内におけるI/O制御の適切なコスト、適切な速度、適切な耐ノイズ性などを実現します。


>  CUnet 導入ガイド、CUnet テクニカルガイド、Let's Try CUnetは、こちらからダウンロードできます。

CUnetネットワーク用デバイス

CUnetネットワークを構築するための各種デバイスを紹介します。

シリーズ名 MEMモードIC
(マスタ/スレーブ)
MEMモードIC
(マスタ/スレーブ)
IOモードIC
(DIOスレーブ)
IOモードIC
(DIOスレーブ)
型  格 MKY43 MKY44-SPI MKY46 MKY44-IO32A
パッケージ MKY43 MKY43 MKY46
機  能 データ(メモリ)共有 データ(メモリ)共有 32DIN/DOUT フィルタ付32DIN/DOUT
 2ch 24ビットアップ
/ダウンカウンタ
(エンコーダ)
2ch 16ビットPWM出力
動作電圧 3.3V(5Vトレラント) 3.3V 5.0V 3.3V
特  長 メール機能(256バイトの
データ伝送)対応
16/8ビットバス
インターフェース対応
メール機能(256バイトの
伝送)対応
SPIインターフェース対応
CPU不要
32DIN/DOUTを
4ビット単位にて
切替設定可能
CPU不要
32DIN/DOUTを
8ビット単位にて
切替設定可能
ST44SW:必要
シリーズ名 IOモードIC
(ADスレーブ)
IOモードIC
(ADスレーブ)
IOモードIC
(ADスレーブ)
IOモードIC
(DAスレーブ)
IOモードIC
(DAスレーブ)
型  格 MKY44-AD12A MKY44-AD16A MKY44-AD16B MKY44-DA16A MKY44-DA16B
パッケージ
機  能 12ビットAD 4ch
4DIN/4DOUT
16ビットAD 2ch
8DIN/8DOUT
16ビットAD 4ch 16ビットDA 2ch
8DIN/8DOUT
16ビットDA 4ch
動作電圧 3.3V 3.3V 3.3V 3.3V 3.3V
特  長 CPU不要
ADコンバータ内蔵
ST44SW:不要
CPU不要
ADコンバータ外付け
(AD7682)
ST44SW:必要
CPU不要
ADコンバータ外付け
(AD7682)
ST44SW:不要
CPU不要
ADコンバータ外付け
(AD5752)
ST44SW:必要
CPU不要
DAコンバータ外付け
(AD5754)
ST44SW:不要
シリーズ名 IOモードIC
(位置決めスレーブ)
IOモードIC
(位置決めスレーブ)
IOモードIC
(スレーブ)
HUB-IC サポートIC
型  格 MKY44-MC01A MKY44-MC02A MKY44-FS00A MKY02 ST44SW
パッケージ mky44_FS00A MKY02
機  能 24kppsモータ
コントロール1軸
ロータリエンコーダ
入力1ch
汎用DI/O
12.5kppsモータ
コントロール2軸
ロータリエンコーダ
入力2ch
汎用DI/O
I/O間通信時の
速度向上
一部のMKY44シリーズ
用のSA、DOSA、
BPS端子拡張
動作電圧 3.3V 3.3V 3.3V 3.3V(5Vトレラント) 3.3V
特  長 CPU不要
台形速度制御
(加減速:直線、S字)
補間機能なし
ST44SW必要
CPU不要
台形速度制御
(加減速:直線、S字)
補間機能なし
ST44SW必要
I/Oモード同士の
通信時に使用
CPU不要
T分岐、配線延長可能
2進数モード/
10進数モード
切替可能

*:ST44SWは、MKY44をご利用になる際、通信設定用スイッチを拡張するためのICです。
*:各デバイスについての詳細は「製品案内:IC」をご覧ください。

CUnet仕様

通信方式 CUnet通信
マルチマスタ型ブロードキャスト方式
接続形態 マルチドロップ方式(RS485)
通信速度 12Mbps/6Mbps/3Mbps(半二重)
通信ケーブル カテゴリ5以上のシールドケーブル
最大接続ノード数 64ノード
データ共有量 1ノード:8バイト単位
最大64ノード:512バイト
通信距離 通信速度 ネットワーク最大長
12Mbps 100m
6Mbps 200m
3Mbps 300m
トポロジ バス(HUB使用時:ツリー/スター)
  12Mbps 6Mbps 3Mbps
2ノード 102.00μs 204.00μs 408.00μs
8ノード 265.00μs 530.00μs 1060.00μs
16ノード 501.00μs 1002.00μs 2004.00μs
32ノード 1037.00μs 2074.00μs 4148.00μs
64ノード 2365.00μs 4730.00μs 9460.00μs
  12Mbps 6Mbps 3Mbps
HUB1 200m 400m 600m
HUB2 300m 600m 900m

 

CUnetネットワーク構成

CUnetは、「マルチマスタ:マルチスレーブ」のリモートI/O制御ネットワークです。
この1つのネットワーク上には最大64個のCUnet ICを接続することができ、
かつマスタとスレーブとの間は常に自動で通信しています。

CUnet ICは、マスタICとスレーブICが共に512バイトのメモリを搭載しており、かつデータ共有型のネットワークのため、
通信が1周期完了すると全てのCUnet ICのメモリ情報が同じになります(データ共有)。
このため、マスタICへ接続されているCPUは、マスタICのメモリをリード/ライトするだけで、
各スレーブのI/Oを制御することができます。
ネットワーク接続にはRS485を用いたマルチドロップ配線を利用しますが、
HUB-IC(MKY02)を使用することにより、T分岐や配線延長も可能です。

【動作について】

CUnetはマルチマスタ構成かつ、メモリ共有が可能なため、下記を設定する必要があります。
OWN:マスタICが選択することができる、「自己が使用するメモリブロックの数」
SA(Station Address):各CUent ICのネットワーク内アドレス
DOSA(Data Output Station Address):スレーブがマスタとして選択するICのSA(Station Address)

【データ共有(CUnet通信概念)】

各CUnet ICは、64ブロック(1ブロック:8バイト)から構成される512バイトの共有メモリを内蔵しています。
このメモリは、自己のみがライト可能な「自己占有エリア」と、他のCUnet ICのデータがコピーされるエリアから構成されています。
「自己占有エリア」へライトされたデータは、ブロードキャストにて全端末のメモリにて即時共有(コピー)されます。
これによって、マスタへ接続されているCPUは、マスタICのメモリを読むだけで、他のCUnet ICの状態を把握できます。
また、マスタIC内で使用するブロック数は、自由に設定できます。
スレーブICは入力時のみ自己占有エリアを使用し、この自己占有エリアは1ブロック(8バイト)に固定されております。

【スレーブの入力動作】

デジタルI/O、アナログI/O、位置決め制御時のスレーブの入力データは、SA(アドレス)に基づく
「1ブロック8バイトの自己占有エリア」へ自動的にライトされ、全端末がその入力データを共有(コピー)します。
また、CUnet ICはフィルタリングや平均化の機能も搭載しているため、CPUがこれらの処理を実行する必要はありません。

【スレーブの出力動作】

CUnetはマルチマスタ仕様のため、スレーブはマスタとなるICを選択する必要があります。
スレーブICは、DOSA(Data Output Station Address)にてマスタを選択し、
選択されたマスタICの「自己占有エリア(SA)」のデータを出力します。

【エラー判別機能】

CUnetは、独自のエラー判別機能を持っています。
CUnetはマルチマスタのため、自己の通信におけるエラーの発生状況を確認することができます。
エラー判別対応 CUnet IC*1は、通信においてエラーが発生した場合、
どの端末でエラーが発生しているかをレジスタにて確認することができます。

また、エラー検知機能対応CUnet ICには、エラー通知ピンが用意されており、
そこにLEDなどを接続することにより目視にてエラー状態を確認することができます。

即時にエラーを検知したい場合には、割り込み機能を使うこともできます。

LCARE(Link CARE):どこかの端末でエラーが起きた場合
MCARE(Member CARE):3回連続で同じ端末がエラーを起こした場合

*1 エラー判別対応 CUnet IC:
MKY43、MKY40、MKY44-IO32A、MKY44-AD12A、MKY44-AD16A、MKY44-AD16B、
MKY44-DA16A、MKY44-DA16B、MKY44-MC01A、MKY44-MC02A

特殊機能

CUnetは、様々な特殊機能を搭載しています。
以下に代表的な特殊機能をご紹介します。

□メール機能(P2Pのデータ伝送)

メール機能対応CUnet IC間*2においては、P2P(1対1)にて最大256バイトのデータを送受信することが可能です。
メール機能に対応しているCUnet ICには通常の512バイトの共有メモリとは別に、
256バイトのメール送信バッファとメール受信バッファが搭載されており、下記のように動作します。

・送信側ではメール送信バッファにデータをセットし、送信先を選定します。
・受信側では受信許可フラグをたてます。
・送信側では送信フラグをたて、メールデータを送信開始します。
・全データの受信が完了した時点で受信完了フラグがたちます。

メール機能は、1スキャンに8バイトずつデータを送信し、受信相手のバッファにデータを貯めていきます。
このため、速度を要求しないデータ送信向けの機能となります。
また、このメール機能は、データ共有やI/O制御と同時に動作させることが可能です。
メール機能を使用してもCUnetのサイクルタイムが変わることはありません。

*2 メール機能対応CUnet IC:
MKY43、MKY40、MKY44-IO32A、MKY44-AD12A、MKY44-AD16A、MKY44-AD16B、
MKY44-DA16A、MKY44-DA16B、MKY44-MC01A、MKY44-MC02A

□GMM(グローバルメモリモニタ)機能

GMM機能とは、ネットワーク稼働中に共有メモリとレジスタをモニタリングできる機能です。
MKY43及び、MKY40(MEMモード)にてご使用いただけます。

GMMモードのCUnet ICは、ネットワークを構成する端末としてはカウントされません。
ネットワーク端末として認識はされない為、安全に確認をしていただくことが可能です。

□スレーブボードブロック図

下図は、CUnetスレーブボードの標準的なブロック図です。
このように、シンプルな回路にて基板を構成できます。

MKY46を使用したスレーブ MKY44を使用したスレーブ